何故、「美容歯科治療」を取り入れているのか?
私のコンセプトは「本当に自分が受けたい治療・家族に受けさせたい治療の実現」であり、歯周病治療をベースとして、機能性、審美性、永続性に拘りトータルな治療を行っております。
中でも外科処置に関しては、それ以外に解決策がない場合の最終手段と考え、特にその術式と精度にこだわって行っております。
しかし昨今、受ける側にとってハードルの高い「後戻りの効かない、削って被せる治療」や「外科処置」だけでは無く、「より手軽な美容歯科治療」を望まれる方も多く、そのような方々のニーズに応えるものとして、「ヒアルロン酸注入」や「ボツリヌストキシン製剤注入法」を歯科治療の一オプションとして活用しております。
現在、当医院では
「ヒアルロン酸注入を用いた軟組織ボリュームの改善法」
「ボツリヌストキシン製剤を用いた表情筋の筋力コントロール法」
を行なっております。
歯科医院で何処までの処置が可能なのか?
私達歯科医師が扱う事の出来る対象領域は、平成8年に当時の厚生省が「歯科口腔外科に関する検討会」で発表した範囲である『
口唇・頬粘膜・上下歯槽・硬口蓋・舌前3分の2・口腔底に軟口蓋、顎骨、唾液腺を加える部位』です
その部位に対して「歯科治療として妥当と思われる範囲内」での治療が行えます。
法令線の出来るエリアは、口唇(口輪筋でサポートされたエリア)と頬の境目です。
口唇(口輪筋でサポートされたエリア)に対してヒアルロン酸でボリュームアップを行うと、前歯の見え方が変わってきます。
実際、審美治療で我々が歯の長さや中心を決めるのは、顔貌と口唇であり、前歯を作る際にお顔の写真を撮られた経験がある方もいるのではないでしょうか?
口唇は、赤唇のみではく、
口輪筋でサポートされた範囲です
赤唇のみではく、上記の赤色で囲まれた範囲が
歯科医師の治療対象範囲です
歯の調整を行い、前歯の見え方のコントロールができるのは我々歯科医師です。
『前歯の見え方まで含めた、口唇(口輪筋でサポートされたエリア)のボリューム改善』を望まれる方であれば、歯科医院で行うことが妥当でしょう。
しかし『歯とは全く無関係なシワ取り』であれば、美容外科で行うことが妥当です。
咬筋に対してボツリヌストキシン治療を行うと、かみ合わせの力が変化します。
噛み合わせの力の変化に対応出来るのは、我々歯科医師ですので、『噛み合わせの力のコントロールの為の処置』であれば歯科で行うことが妥当でしょう。
咬合力を気にせず『小顔の為の処置』であれば美容外科で行うことが妥当であると考えます。
患者さんのニーズや歯科治療は日々進歩するものであり、「ある治療が歯科治療として妥当か否か」は、私達が真摯に取り組み、世間からの高評価を得る事でのみ「慣例化」していくものと考えます。
「インプラントを入れたら顔が歪んだ」という一般の方のネガティブな投書を見た事がありますが、これは咀嚼力の向上による片側の咬筋の過剰亢進である可能性は無いでしょうか?
そうであれば、ボツリヌストキシン製剤を用いて当該部位の筋肉縮小を行うことで噛み合わせを守り、副次的効果として咬筋の縮小による小顔効果を得る事は、非常に的を得た歯科治療であると考えます。